上々日常 日々の色々を衣絵がテキトーにつづります。関係者のみなさま、笑ってユルシテ。
その1 家事のゆくえ
 

その5 ふらふらしてると・・・

 今時珍しいとよく言われるのだが、37歳の現在、運転免許を持っていない。免許のほしくなるお年頃である高校卒業当時、東京は上野に住んでおり、車の必要性を全く感じていなかった。
 だって、歩いて5分程度で両手に余るくらいの電車、地下鉄に乗れたのだ。加えて、地価が高いため、駐車場代だって馬鹿にならなかった。というのは建前で、自分の運動神経に自信がなかったというのが一番大きな理由なのかもしれないが。
 とにかく、現在のわたしの移動手段は徒歩、または自転車なのである。大きなものや重いものを買うときや、自転車ではとてもじゃないけど遠すぎるというようなときには、夫ドノのご登場となるのだけれども、日常ではもっぱら自転車。今年新車に買い換えて、3段だけれども内装ギアの付いたものになったので、快適!なのだ。
 ところで、我が町のメインストリートは、対抗二車線の道路を挟んで広めの歩道がとってある。その歩道をケヤキ並木が二分して、自転車と歩行者を分けるという理にかなった作りになっている。
 ある日、その自転車通路をいい気分で走っていたら、前方に挙動不審な一台を発見。どう見ても中学生と思われる男の子が、膝を思いっきり外側に開いて、姿勢悪くふらふらと自転車をこいでいる。しかも、速度は極度にゆっくり、通路の幅をいっぱいに使ってのふらふら走行で、迷惑なことこの上ない。
 こんな時、むくむくとわいてくるのがおばさん的正義感で、「ちょっと!ちゃんと走りなさいよ。迷惑じゃないのよ!!」と、叫びたくなるのだが、ここはぐっと我慢。当節、キレやすいお子さまが増えているよし、わたしでも知っている。それに、初対面のおばさんに怒鳴られて、素直に行動をただすなんて、大人にだってできないだろう。
 事を穏便に済ませ、わたしが自分の速度で目的地にたどり着け、しかも彼があのふらふら走行をやめてくれるなにか良い案はないものか・・・。
 ひらめいた!
 次の瞬間、わたしはタイミングを計り、ふらふら走行の隙を見て全速力で追い越したのだった。
 ふらふらの彼がどうしたか?なんと、姿勢を正し、まっすぐに全速力でわたしを抜き返したのだ。おばさん風情に抜かれたのが、よほど悔しかったのだろう。すごい勢いで小さくなってゆく背中を見ながら、わたしは至極ご満悦であった。
 こういう事って、人生のうちに何度もありません?もちろん、自転車の抜いた抜かれたではなくて。
 たとえば、学校のマラソン大会。「な〜んかだるいよね〜」「やってらんないよね〜」なんて友達としゃべりながら走っていたら、明らかに自分よりも遅い子が大きくタイムをのばしていたり。
 たとえば、夏休み。「宿題やってる?」「ぜ〜んぜん」なんていう言葉を信用していたら、友達は着々と終わらせていて、自分は八月の最後の3日くらいに地獄を見るとか。
 追い抜かれて初めて我に返ったこと、ね?あるでしょ。
 このホームページは、今年の目標のひとつだった。そう友達に公言していたら、ある日その友達から「ホームページ、作っちゃった!」というメールが来てびっくり。制作ソフトに手を焼いて、だらだらと無益な時間を過ごしてしまったわたしは、結局デザインまでを担当し、最後はプロの手にゆだねたところだったのだけど、そのメールで居ずまいただしてしまいました。彼女のはプロバイダのテンプレートを使ったページだったけれど、とてもかわいくできていて、何よりその勢いに脱帽。できるできないの前に、まずは「やりたい」という気持ちありきなのだと、肝に命じたのだった。
 ところで今年の目標のもう一つは、実は運転免許の取得。今まで夫を始めいろんな方々の車にお世話になってきたけれど、次男の幼稚園入園を期にちゃんとしようと思っている。今度は、追い抜かれないように・・・ってもう、遅いかなあ。12月だし。

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